電動アシスト自転車の構造について

フレーム

電動アシスト自転車のフレームはモーターやバッテリーを搭載しているため、通常の自転車より頑丈な作りをしています。
最新の電動アシスト自転車は軽量なリチウムイオン電池を使用しているため、全体の重量も25kg程度とかなり軽量化されています。それでも通常の自転車よりフレームが太い傾向があります。特に前後を1本のフレームで支えるホームタイプ(ママチャリ)はかなり太く感じます。シティタイプやスポーツタイプではフレームが2本あるので、太さは目立たず、フレームについての見た目は通常の自転車とほとんど変わらないと言えます。
子供乗せ自転車では、チャイルドシートや大型のスタンドを装備しているため、自重が30kgを超えるものもあります。また、安定性を増すためにホイールベースを長く(前後の車輪の間隔を長く)しているため、かなり太いフレームを使用しています。
また、いくつかの電動アシスト自転車には補強材が入っていることもあります。

モーター

モーターの出力は国土交通省の形式認定において250Wまでと決まっていて、ほとんどの機種が250Wまたは240Wのモーターを搭載しています。車種によって違いはありません。
形式は「直流ブラシレスモーター」を使用しているメーカーが大半です。直流ブラシレスモーターとは文字通りブラシのないモーターです。古典的なモーターでは、ブラシと言われる電極を軸に接触させて、電気の流れを切り替えていました。ブラシレスモーターは半導体センサーを用いることによって、接触することなく電流を制御しています。非接触のため、耐久性が高く効率も良いモーターです。
また、一部機種には惰性走行時に充電できる回生モーターを搭載しているものもあります。

モーターを搭載する位置は3タイプあります。もっとも多いのがペダル付近にあるタイプです。真ん中にあるので、重量バランスがよく、またペダルのすぐ近くでチェーンに動力を伝えて漕ぐ力をアシストするので、より自然に近い形になります。
残りが前輪または後輪のハブ(軸)に内蔵されたタイプです。それぞれ特徴がありますが、別のページで詳しく説明します。

バッテリー

バッテリーは多くがサドルの下あたりに搭載されています。真ん中で重量バランスがよく、脱着も容易です。初期の電動アシスト自転車は、バッテリーが大きくフレームの部分にも取り付けられていましたが、小型で効率の良いリチウムイオンバッテリーが主流になった現在では多くがサドルの下付近に取り付けられています。
一部の折りたたみで自転車ではフレーム内蔵に内蔵されているタイプもあります。見た目が非常にスッキリしていて、取り扱いもラクです。しかし、取り外しが難しいため、交換に手間がかかることと、充電の際は自転車本体に電源コードを繋げる必要があります。

タイヤ

タイヤについては、一般的な自転車と変わりありません。

サイズはコンパクトと折りたたみは20インチが中心、ホームタイプ(ママチャリ)が24~26インチ、シティタイプが24~27インチ、スポーツタイプが24~27インチとなっています。

ブレーキ

ブレーキも一般的な自転車と特に変わりはありません。子供乗せタイプタイプは3人乗りをした場合はかなりの重量となります。ブレーキをかけるときはいつもより早めに、そして慎重にかけたほうがいいでしょう。

荷台・カゴ

荷台やカゴについては、通常の自転車と変わりありません。スポーツ車、折りたたみ自転車、コンパクトタイプは積載性が低いものが多く、ホームタイプ(ママチャリ)、シティタイプ、ビジネスタイプは積載性高くなっています。
後ろにチャイルドシートを取り付ける場合は、荷台がクラス27(またはクラス25)に対応している必要があります。これは荷台に載せる荷物の重さが最大で27kg(25kg)までに対応しているものです。荷台に「クラス27」などの刻印がありますので、チャイルドシートを取り付ける場合は確認してみてください。

ハンドル

ハンドルも一般の自転車と変わりありませんが、ほとんどすべての機種で、アシスト機能のコントローラーが付きます。これはアシスト機能のON/OFF、アシストモードの設定、電池残量メーター、スピードメーターなどの機能があります。また、あとどれくらい走行できるかという目安の距離を表示してくれる機種もあります。

3人乗りに対応した機種では、ハンドルを固定する機能(ふらつきを抑制する機能)が必須となっています。ブレーキレバー付近で操作するもの、ハンドルの軸の部分で操作するもの、スタンドと連携し、スタンドを立てると自動で固定されるものなど、いくつかタイプがあります。

電動アシスト自転車はほとんどの機種にギアの変速機能がついています。このギアの変速もハンドルで行います。グリップを回す方式と、レバーをスライドする方式があります。(大半がグリップ方式がです)

ライト

近年ではほとんどがLED電球を使用したタイプとなっています。電動アシスト自転車の場合バッテリーから電源を供給するタイプがほとんどです。このタイプはバッテリー残量が完全にゼロになってしまうとライトが点かないので、夜間を走る場合にはチェックが必要です。
大手メーカーの製品はオートライト機能を持つタイプも多く、暗くなると自動で点灯します。

スタンド

自重が重いので、しっかりしたスタンドが装備されている機種が多くなっています。特に子供乗せタイプは幅広で転倒しにくいスタンドが取り付けられています。子供乗せた状態では重心が高く不安定になります。子供乗せタイプの怪我の原因の多くが停車時に倒れることによって起きているため、これを防ぐための対策として大きくなっています。また、足で踏む力を利用してスタンドをラクに立てることができるように各社工夫がなされています。

その他

泥よけについては、一般の自転車と同じです。スポーツタイプや折りたたみ自転車では付いていないものありますので、雨天時は泥はねに注意が必要です。

子供乗せタイプはドレスガードが必須となっています。これは、ズボンやスカートの裾が後輪に巻き込まれるのを防ぐためのもので、後輪の左右に網目状のカバーを取り付けます。